盗法秘伝


 盗法秘伝

愛してやまない池波正太郎の「鬼平犯科帳」に盗法秘伝というお、話がある。

お上から休暇をもらった鬼平こと長谷川平蔵が、京都旅行に行く話だが、旅の途中に年老いた盗賊に出会い、気があったのか、一緒に盗みに入ったあげく、後継として、盗賊の秘伝を教えてもらうという話。

盗賊一筋に生きてきた老人も大したものだが、管轄外ではあるが、犯罪の後始末をして、本人に引退を促し、見逃した鬼平も何というか、おおらかというか、ちょっと首を傾げたくなる。


 一方では、ネットフリックスなどのネット配信に溢れる犯罪もの、アクションものなどには、激しい殺人や詐欺、暴力に溢れており、犯罪が、社会悪であるという倫理観も全くないような気さえする。

ウケればなんでもいいという風潮も困ったものだと思う。

社会正義と犯罪のギリギリの境界で、どちらかというと、大衆への迎合というか、犯罪を認めてしまうような社会の潮流に、なんだか不安を感じるのは、私だけだろうか?


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