ドアノブコメント

 

エンジェルトランペット

ドアノブコメントと言う言葉があります。私が医学生だった時、講義に出てきたのですが、簡単に言うと、人の話は最後まで聞かないとわからないということです。

診察室では、たくさんの人が、自分の病状を話してくれるのですが、意外にも診断に大切なポイントを最後まで話せず、診察が終わり、部屋から外に出る間際、ドアノブに手をかけた時に、ふっと大事な事を話してくれることがあります。

「そういえば、なんか黒っぽい便が出たことあります」

消化管出血を疑う大事な兆候です。

もちろん、それを引き出す問診をしていくのが、医師の勤めではありますが、よくお話をしてくれる患者さんほど、沢山の情報の中で埋もれてしまって、方向性がわからなくなることもあります。だからといって、先を急ぎ、送り出すように患者さんを促してしまうといけない、最後まで気が抜けないよという戒めだと思っています。

人の話を聞くという難しさを感じる言葉です。

毎日、診察室では、いろいろな患者さんが、お話をしてくれるので、一生懸命、大切なポイントを逃さないように耳を傾けていますが、それでも医師も人間です、疲れていたり、沢山の患者さんを診察しなければいけない時には、聞き逃したり、大切な一言を逃さないように頑張っているつもりです。

いや、がんばります。

そして最後の一言まで、聞き逃さない覚悟でいます。

 ただ、カフェでお話を聞いている私はそれとちょっと違って、お話を楽しんでいることを感じます。医師ではなく、隣人として、心の部分でお話を聞ける楽しさを感じながら接しています。どうぞ、ゆっくり、自分の言葉で、楽しみながらお過ごしください。

もちろん、医学的なコメントがご希望でしたら、喜んでいたしますので、ご遠慮なく


11月のお知らせ

 がん哲学外来カフェひた鮎カフェは、

がんサバイバーの方や、ご家族、友人、知人の皆さんのための、サロンです。暇そうな医者に、気さくになんでも話してみて、

どなたでも参加できます。

10名限定、予約は必要です。

※がんサバイバーの方が優先になります。


日時 第二土曜もしくは第三火曜

   14時から2時間

第6回 11月9日(土曜) 場所 黎明館

第7回 12月14日(土曜)場所 黎明館


黎明館(れいめいかん)

  日田市隈町2丁目2-1

要予約 隈診療所 0973-22-0033 

詳細は gantetuhita.blogspot.com



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