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10月のお知らせ

  がん哲学外来カフェひた鮎カフェは、 がんサバイバーの方や、ご家族、友人、知人の皆さんのための、サロンです。暇そうな医者に、気さくになんでも話してみて、 どなたでも参加できます。 10名限定、予約は必要です。 ※がんサバイバーの方が優先になります。 日時 第二土曜もしくは第三火曜    14時から2時間 第5回 10月12日(土曜) 場所 黎明館 第6回 11月9日(土曜) 場所 黎明館 第7回 12月14日(土曜)場所 黎明館 黎明館 ( れいめいかん )   日田市隈町 2 丁目 2-1 要予約 隈診療所 0973-22-0033   詳細は gantetuhita.blogspot.com

在宅医療推進フォーラムin大分に参加して 令和6年9月28日

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  在宅医療推進フォーラム in 大分に参加して 令和 6 年 9 月 28 日     9 月 28 日土曜日 大分のコンパルホールで、在宅医療推進フォーラムが開催されました。 その実行委員会に参加して、私も発表を一題させていただきました。メモ書きをもとに、ご紹介いたします。 学会のテーマは「コンパッション(おもいやり)のある在宅医療・地域をめざして」ということです。 コンパッションとはなじみのない言葉かもしれませんが、大会委員長の山岡先生が、あえて「おもいやり」という言葉に訳されました。 数年前より、アランケレハーという人が提唱した言葉で、その本の副題に「公衆衛生と緩和ケアの融合」と書かれています。ざっくりと説明すると、公衆衛生は、医療や、健康増進などの目標をかかげて、発達してきたが、老化や死の周辺については、触れずに、むしろ避けてきた感さえある。 その反省として、緩和ケアという概念が発達したわけだが、これも高度に専門化されており、一部の専門家の分野になってしまった。いまこそ、地域住民と、医療、介護、行政が同一のフィールドで、コンパッション(思いやり)という言葉のもとに、みんなが努力していくスタイルを確立しようという考えです。   ケレハーの著書を翻訳された慶応大学の堀田先生は、共感という言葉も使っておりました。 認知症は社会的な死であり、喪失の恐怖、孤立、怒りなどがあり、がんサバイバーは死への恐怖、 慢性疾患としてのがん治療、再発の恐怖、経過観察の苦しみなどがあり、死や喪失を、専門職だけに任せてはいけない、地域住民でのコンパッションの共有が重要ともいわれました。 互助力ということにも触れられていました。 地域での実例を挙げて、小さな取り組みでもいいので、ぜひ、行動に移してほしい。 3 人集まればすぐに行動にうつるのがぽいんとだともいわれていました。   次の演題として、私が 8 年間続けた認知症カフェの話をして、堀田先生に「楽しそうにやれているのがよかったです」と評価されて、うれしかったです。たくさんのボランティアスタッフがいてやれることなので、本当に感謝です。 次の演題は、佐伯の山内先生が、地域で行っている「ごちゃまぜカフェ」(認知症も障碍者、就労困難者、すべての人たち)について、話されました。

第4回カフェ報告

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無事に第4回を終わりました。ぎりぎりまで2名でしたが、ヒヤヒヤしましたが、最終6名参加いただき、誠にありがとうございました。 もちろん1名でもしますけど、^^;  最初から4回出席してくれている人もいて、皆さん複数回出席で、お顔もすこし覚えました。  今回も近況報告や、楽しみにしていることなどを、皆さん力一杯話されていました。  お孫さんのことや、楽しい趣味のこと、体調がよくなって、うれしいなど、みなさん、なかなか積極的に生活されていて喜ばしい限りです。  私は山に登って、山小屋に泊まり、他の人のいびきでなかなか眠れなかったこと、体調悪くなったら、いつでも引き返せばいいやと思って眠れて話などをしました。 なんだか、きてくれた人たちが、一生懸命に聞いてくれるのは、とても楽しいです。自分の話を聞いてもらえることが、こんなに楽しいものかと気づきました、 私が一番癒されているかもしれません。きてくれた人たちはどうだったんでしょうね?メールでもいいので教えてください。drkuma2000@gmail.com 大分のふぐカフェ店長の林先生も、1ヶ月の船医生活から復帰さており、いつかお土産話をしてくれるでしょう。 とにかく、こんな感じですが、お気軽に遊びにきてください。2時間のおしゃべりを楽しみませんか?

心配は幸せを減らす

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  心配は幸せを減らす 山に登った。初めての3泊4日の縦走の山小屋泊。 不安要素だらけ、天候、食糧、着替え、水分、健康状態、 考え出すとキリがない。山小屋の狭い布団の中、 早めに床にはついたのだが、眠れない。 眠らないといけないと思うほど、眠れない。目をつぶっていれば、 身体は寝ているからと、いつも患者さんに話すことを、 自分に言い聞かせている。  まあ、明日登ってみてから考えよう。体調悪ければ、 勇気ある撤退も十分有りだからと観念して、 少しだけ眠りについた。 とにかく歩くだけだからと、自分に言い聞かせて、まあ、 なんとか完登できました。  初めての山域で、慣れていないことばかり。 不安感がかなりあったことは事実。無論、達成感はありましたが、 あんまり心配しすぎて、終わってみれば、 もっと楽しめばよかったという後悔もあります。 せっかく美しい自然の中を歩けたのに、ああすればよかったとか、 ここはちょっととか、後悔しきり  心配は,準備をしたりするのに、ある程度必要だけど、心配しすぎると、 幸せが減っちゃうなあと、反省しています、私のひいばあちゃんの口癖は「さきゃさきどんが知っとる(先の事はわからない)、山より大きいシシ(いのしし)は出ん」でした。 まあ、時間がたって、もう一度頑張ろうかなという気持ちだけが、 あるのが救いでしょうか^_^

久しぶり

 ネットのどこかで見つけた記事に、こんなものがありました。正確に覚えているわけではないので、少し違っているかもしれないけど、趣旨は間違っていないと思います。 ある寝たきりのおじいさんに、死ね前にしたいことがありますか?という質問をすると 「とこやに行って、さっぱりとしたい」というのです。どうしてですかと聞くと、 「久しぶりにばあさんに会うので、、、」といったそうです。 素敵なご夫婦ですね。生と死は、つながった直線のような気がします。死の瞬間、不安や恐怖、愛した人との別れもあるかもしれませんが、こんな考え方もあるんですね

水の中で考える

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  水の中 昨日、久しぶりに川に入った。甘くみていたが、かなり深く、足は届かない。ずぶりと水のなかに沈む瞬間、これはまずいなと思った。泳げないわけではないが、恐怖感のようなものが、上回って、かなり怖かった。 孫の手前、ニタニタしていたが、内心は、、、 高齢者、水の事故という見出しが頭をよぎる 水の事故報道が続く最近、他人事のように考えていた死というものが、目の前に突きつけられる恐怖。大袈裟かも知れないが、我々の生は死と隣り合わせにあることを気づかせる。 メメントモリ という言葉がある。常に死を意識せよという言葉だと思うが、一方では、「葉隠」には「武士道とは死ぬこととみつけたり」という一説がある。 死というものを、意識することなく、生きていければ、平和かもしれない。しかし、死を意識することで、生を一層明るい、輝かしいものにできれば、さらに意義のある人生になると考えられないだろうか? がんだけでなく、致死性の病気や災害に直面する時、人は命のもろさを痛感させられる。それゆえに、生は輝かしく、喜ばしいものだ。 感謝して生きていくべきなのだろう 蝉時雨が一段と大きく、頭の上で鳴り響く夏の午後だった。

ガン患者さんとお話をする時

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  傾聴と沈黙 そして一歩踏みだす 傾聴 緩和ケアにおける患者さんとの接し方の基本的手法は、傾聴である。ひたすら患者さんの話に、耳を傾けて、患者さんが何を悩んでいるのか、何に苦しんでいるのか、言葉の向こう側にあるものを、感じ取り、共感しなければならない。 これは、とても大変な作業で、根気と愛情、友情がなければ困難である。 結局、癌でない人には、本人の気持ちは分かり合えないのかもしれない ある講演会で、たぶん、 スピリチュアルケア研究の「村田理論」で知られる村田久行先生だったと思いますが 、ある先生が質問しました。「癌でない私たちは、がん患者さんの本当の気持ちを理解することができるのでしょうか?」と すると村田先生はこう答えました。 「完全に理解することは難しいかもしれません。でも限りなく近づくことはできると思います。」と 傾聴は、相手を受け入れること、共感することだと言われます。 相槌を打つことも重要な要素です。ただ、うんうんと言っているばかりでなく、そうか、そうだよね、貴方はそんなふうに思っていたんだねと、相手の言葉を繰り返して、支えてあげるのも良いかと思います。 相手が言葉に詰まっても、待っていてあげてください。決してせかしてはいけません。 慰めや励ましは無用かもしれません。でも、もしお話ししてあげるのであれば、私はこう感じたというお話はいいかもしれません。 涙が出てもいいと思います。正直な感情を相手に伝えることができます。 沈黙 沈黙があったとしても、恐れることはありません。 静かに相手が何を感じているのか?何を悩んでいるのか?を考える時間にしてください。 樋野興夫先生は、「患者さんと話をしていると、ふと、 沈黙 が訪れるときがあります。そ. のとき、患者さんがスーッとお茶を飲んで、 それから本当の悩みを話してくれるようになるようになり、ここから本音を話してくれる。」と語っています。 一緒にお茶を飲むことも重要なポイントです。                           話を聞いている時に大事なことは、決して相手を否定しないことです。 自分の感情や信念を押し付けるのではなく、相手の気持ちになりきって、寄り添ってあげることです。相手は、話すことで、自分自身の気持ちを理解することができているわけ