在宅医療推進フォーラムin大分に参加して 令和6年9月28日
在宅医療推進フォーラムin大分に参加して 令和6年9月28日
9月28日土曜日 大分のコンパルホールで、在宅医療推進フォーラムが開催されました。
その実行委員会に参加して、私も発表を一題させていただきました。メモ書きをもとに、ご紹介いたします。
学会のテーマは「コンパッション(おもいやり)のある在宅医療・地域をめざして」ということです。
コンパッションとはなじみのない言葉かもしれませんが、大会委員長の山岡先生が、あえて「おもいやり」という言葉に訳されました。
数年前より、アランケレハーという人が提唱した言葉で、その本の副題に「公衆衛生と緩和ケアの融合」と書かれています。ざっくりと説明すると、公衆衛生は、医療や、健康増進などの目標をかかげて、発達してきたが、老化や死の周辺については、触れずに、むしろ避けてきた感さえある。
その反省として、緩和ケアという概念が発達したわけだが、これも高度に専門化されており、一部の専門家の分野になってしまった。いまこそ、地域住民と、医療、介護、行政が同一のフィールドで、コンパッション(思いやり)という言葉のもとに、みんなが努力していくスタイルを確立しようという考えです。
ケレハーの著書を翻訳された慶応大学の堀田先生は、共感という言葉も使っておりました。
認知症は社会的な死であり、喪失の恐怖、孤立、怒りなどがあり、がんサバイバーは死への恐怖、
慢性疾患としてのがん治療、再発の恐怖、経過観察の苦しみなどがあり、死や喪失を、専門職だけに任せてはいけない、地域住民でのコンパッションの共有が重要ともいわれました。
互助力ということにも触れられていました。
地域での実例を挙げて、小さな取り組みでもいいので、ぜひ、行動に移してほしい。3人集まればすぐに行動にうつるのがぽいんとだともいわれていました。
次の演題として、私が8年間続けた認知症カフェの話をして、堀田先生に「楽しそうにやれているのがよかったです」と評価されて、うれしかったです。たくさんのボランティアスタッフがいてやれることなので、本当に感謝です。
次の演題は、佐伯の山内先生が、地域で行っている「ごちゃまぜカフェ」(認知症も障碍者、就労困難者、すべての人たち)について、話されました。先生は認知症専門医であり、在宅医療に精力的にかかわっています。
まず、漁師は魚を取るだけではない、魚が育つ環境づくりをしている、医師もそうあるべきだ。
無駄な人はいない、地域があって、我々の仕事はない。人が棲み暮らす社会で、食を介した行動
子育て支援をしたいと考え、行動している。
地域のおっさんとして、異業種連携、専門職の強みを生かし、地域の真ん中で地域を支える
医療は地域を元気にする必要ありと考えています。
行政の枠に収まらず、お出かけ支援や、仕事につけない人、就労困難者が、働くことで生きがいをもってもらう。そして有償ボランティアからパートへっ定着していくといい。
専門職の働き方の多様性、新しい家族としての支えあいホーム「きよちゃんの家」などのご紹介をされていました。
由布院 ゆずのきクリニック 桑野先生は「ゆふいんの過去といま」について触れ、人口減少が進み、海外旅行客などで、オーバーツーリズムにっている。
由布院クアオルト構想に触れ、新しい観光の姿を考え、今年の2月に、旅行が困難な人でも受け入れられる新しい施設をつくられました。
パプリックハウスえてふぇて を作られたのは挟間の佐野ゆかりさん(看護師)で、コミュニティナースという考えのもとに、いつも地域の中にいて、健康的な生活づくりを助ける、人が集まる場所づくり、かけはしとしての施設をご主人と二人で、古民家を買い取り、立ち上げました。
地域の人たちと一緒に、リフォームされた古民家で、食事を提供しながら、認知症カフェや健康相談、イベントなど楽しくやっているようです。
私設公民館ともいえる、自分たちのやりたいことを自分でする、パプリックスペース
はたけ部やテントサウナ、子ども食堂もやっています。
最後に、福岡のにのさかクリニックの二ノ坂保喜先生が、総括としてお話をされました
A way to die、ホスピス、自分がホスピスケアを受けているのか
実際、患者さんから学ぶしかない、逝く人に学ぶ
出会う前の話、ケララに学ぶ事など話されました。
最後にお話しされたことが、私の記憶で申し訳ないのですが、こういうことだと思います。
「人の心にはもともと、喜びの種がある
人を思いやったり、癒したりする行動に出ると、その種がふくらみ、蕾となり、やがて花が咲く、私たちはその花を大事に育てていきましょう。」
非常に勉強になりました。
私の目指す方向がすこし明るくなりました。もちろん、もっと実行に移して、小さくてもいいので、花を咲かせたいなあと思いました。
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