ガン患者さんとお話をする時
傾聴と沈黙
そして一歩踏みだす
傾聴
緩和ケアにおける患者さんとの接し方の基本的手法は、傾聴である。ひたすら患者さんの話に、耳を傾けて、患者さんが何を悩んでいるのか、何に苦しんでいるのか、言葉の向こう側にあるものを、感じ取り、共感しなければならない。
これは、とても大変な作業で、根気と愛情、友情がなければ困難である。
結局、癌でない人には、本人の気持ちは分かり合えないのかもしれない
ある講演会で、たぶん、スピリチュアルケア研究の「村田理論」で知られる村田久行先生だったと思いますが、ある先生が質問しました。「癌でない私たちは、がん患者さんの本当の気持ちを理解することができるのでしょうか?」と
すると村田先生はこう答えました。
「完全に理解することは難しいかもしれません。でも限りなく近づくことはできると思います。」と
傾聴は、相手を受け入れること、共感することだと言われます。
相槌を打つことも重要な要素です。ただ、うんうんと言っているばかりでなく、そうか、そうだよね、貴方はそんなふうに思っていたんだねと、相手の言葉を繰り返して、支えてあげるのも良いかと思います。
相手が言葉に詰まっても、待っていてあげてください。決してせかしてはいけません。
慰めや励ましは無用かもしれません。でも、もしお話ししてあげるのであれば、私はこう感じたというお話はいいかもしれません。
涙が出てもいいと思います。正直な感情を相手に伝えることができます。
沈黙
沈黙があったとしても、恐れることはありません。
静かに相手が何を感じているのか?何を悩んでいるのか?を考える時間にしてください。
樋野興夫先生は、「患者さんと話をしていると、ふと、 沈黙が訪れるときがあります。そ. のとき、患者さんがスーッとお茶を飲んで、 それから本当の悩みを話してくれるようになるようになり、ここから本音を話してくれる。」と語っています。
一緒にお茶を飲むことも重要なポイントです。
話を聞いている時に大事なことは、決して相手を否定しないことです。
自分の感情や信念を押し付けるのではなく、相手の気持ちになりきって、寄り添ってあげることです。相手は、話すことで、自分自身の気持ちを理解することができているわけです。
もし、自分の経験から何かをお話しできるならば、それもいいと思います。
相手の目を見つめて、ゆっくりと話してあげてください。上手である必要はありません。
時間を気にしないでください。たっぷりと時間が取れる時にお話ししましょう。ゆったりと、暇そうに
そして一歩踏みだす
未来に向かう話をしましょう
明日のことなど考えれれないがん患者さんかもしれないけど、未来の話を少しだけするのは構いません。
今日、今から何をしますか?今、一番したいことは何ですか?明日は何をしましょうか?
来年の話は厳しいかもしれませんが、明日の話ならば、まだまだ大丈夫です。
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