林良彦先生からのご挨拶

 日田の皆さんへのご挨拶

 「外科医として手術手技の研鑽こそが患者さんを助ける道だと考え、主導権は医師にあり患者に選択権を渡してなるものかと考えてきました。患者の話を聞く耳さえ持っていなかったの です。しかし外科医としての経験を重ねるにつれ自分の手術満足度と患者の生命予後とが必ずしも一致しない事に気づき、手術の目的は病巣切除ではなく、手術を受ける患者や家族に幸せになってもらう事だと考えるようになったのです。今まで一方的に話をしてきただけに、どうしたら患者の話を聴く事ができるようになるのか悩んだあげく、様々な学会のコミュニケーション研修を受けてみる事にしました。そしてたどり着いたのががん哲学外来カフェです。これは職種も個人の背景も対人援助法に対する意見も全く異なる人達が集まり、それぞれが活発に意見を出し合い一つにまとめる学習方法です。言わば特別な才能や専門的な技術がなくても、苦しんでいる人への援助を志す気持ちがあれば誰でも学ぶ事ができるものなのです。

資格が必要で特別な人しかできない対人援助ではなく、みんなが皆同じ共感的態度をとる必要はない。あなたはあなたのままで良い、自分ができる方法で対人援助をすれば良い。ある意味、対人援助の原点とも言える研修でした。今や全国各地でがん哲学外来カフェが立ち上がり、大分では2番目に『日田鮎カフェ』が立ち上がり、こんな嬉しいことはありません。どうぞ皆様、よろしくご利用下さい!」

がん哲学外来「大分ふぐカフェ」店長 林良彦



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