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5月, 2024の投稿を表示しています

花火に祈る

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  今年も川開き花火大会が盛大に行われた。今年はコロナによる規制も一段落してせいか、人手が多く、すごい車の渋滞が問題となった。 うちの診療所は花火見物の行列が、かなり大勢、前の道路を通るため、患者さんが近寄れないほどで、土曜日は毎年、開店休業状態。 診療所前のコンサートも無事に終わりました。毎回ながら、若い人たちの音楽に対する情熱の熱さに驚きます。 夜の花火大会は楽しみではありますが、生まれてこの方、花火を見ない年はなく、いささか食傷していることも事実です。 大輪の花のように、咲き誇って、一瞬で消えていく花火に、人生の喜びや悲しみに似た淡い悲しみを感じるのはわたしだけでしょうか? そして楽しく過ごした瞬間も終わりが来て、また来年、このメンバーで会えるだろうかといういらぬ心配さえ感じるのは、きっと歳のせいでしょう。 実は、数週間前に、義理の兄が急死しました。その2週間ほど前に登山に行ったついでに、ご自宅に寄ったばかりでした。数年ぶりに顔を見て、なんだか、急に嬉しくなり、恥ずかしながら泣いてしまいました。とても元気そうで、最近の話などして、数年前に死去した姉の納骨堂まで二人で行きました。 思えば、それが最後の出会いでした。 電話の向こうの甥っ子は、まだ信じられない口調でした。 出会った時から、別れが約束されていることは誰しもわかるのですが、運命というか、別れは非情なまでにあっけないものです。であれば、今この出会いの瞬間に感謝したい。そう願いながら、大輪の花火に密かに手を合わせました。

バラの花束

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10年間、訪問診療を続けていた患者さんが、突然、亡くなった。そんなに長い時間をご一緒に過ごしたかと思うと、月並みな言葉かもしれないが、感無量である。 素敵な時間でした。花々に囲まれて、鳥が窓辺に訪れる、季節を肌で感じられる素晴らしいご自宅でした。 ご本人は、何度か、危険なこともありましたが、そこに行けば、まだあの時間が、いつもと変わりなく流れているような不思議な気持ちがします。 看護師と児島医師がお参りに行ってくれたようではあるが、なんだか気になっていたところに、ご家族が挨拶に来られた。 ちょうど、診療所前の盛りのバラの花を、家内に頼んで、切ってもらい、御仏前に手向けてくださいと手渡しました。 俳句や文章を見せてもらったり、笑顔が素敵な知的な女性でした。難病を患い、山深い里で、懸命に介護されていたご家族にも頭が下がります。 天国にバラの香りが届けば良いのですが、、、 私たちの時間は短くて、長い。楽しく嬉しい時間も、あっという間に過ぎ去り、一度閉じた瞼は2度と開かない。 出会った瞬間に別れが約束されているんですね。 ならばこの素晴らしい瞬間を、出来るだけ、呼吸をするように味わって、できる限り、笑顔で生き続けましょう。 たくさんの素敵な時間を、ありがとうございました、心からのご冥福をおいのりします。

第1回カフェポスター

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第1回 がん哲学外来 ひた鮎カフェの告知

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 がん哲学外来カフェは、順天堂大学の樋野興夫先生が発案した、がんサバイバーの方やご家族と、医療介護の隙間を埋める取り組みです。いわば がんサロンです。お茶をのみながら、気楽にお話しましょう、ご興味のある方は誰でも参加できます 日時  6月8日(土)14時 から16時 場所  日田医師会講堂   〒877-1232大分県日田市大字三和清水町803-1 駐車場は日田医師会会館の裏手になります、オレンジの場所です。 済生会病院前の信号より曲がるか、もう一つ向こうの曲がり角より親友すると わかると思います、       第1部 大分ふぐカフェ主催者  林良彦  先生 による基調講演           入場無料 どなたでも参加できます 林良彦[ハヤシヨシヒコ] フリーランス緩和ケア医師。1981年3月九州大学医学部卒業。第1外科に入局後は「切って切って切りまくる生活」を続けてきた。しかし、患者さんの生命の予後は手術の成否によるものではなく元々持っていた患者の寿命に従うだけ、手術の目的は切除する事ではなく、患者さんを幸せにする事だと気づき、外科医から緩和ケア医に転身した。いまでは緩和ケアは自分の天職と考えている   第2部   第1回 ひた鮎カフェ (飲料付き、有料200円、要予約、10名まで) ※がんサバイバー、家族の方が優先になります                      個人面談は今回はありません。次回以降に予約をお願いします。  カフェ代表 隈診療所 宮崎秀人 〒 877-0044 大分県日田市隈 1 丁目 2-31    連絡先 電話  22-0033  梶原  

林良彦先生からのご挨拶

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 日田の皆さんへのご挨拶  「外科医として手術手技の研鑽こそが患者さんを助ける道だと考え、主導権は医師にあり患者に選択権を渡してなるものかと考えてきました。患者の話を聞く耳さえ持っていなかったの です。しかし外科医としての経験を重ねるにつれ自分の手術満足度と患者の生命予後とが必ずしも一致しない事に気づき、手術の目的は病巣切除ではなく、手術を受ける患者や家族に幸せになってもらう事だと考えるようになったのです。今まで一方的に話をしてきただけに、どうしたら患者の話を聴く事ができるようになるのか悩んだあげく、様々な学会のコミュニケーション研修を受けてみる事にしました。そしてたどり着いたのががん哲学外来カフェです。これは職種も個人の背景も対人援助法に対する意見も全く異なる人達が集まり、それぞれが活発に意見を出し合い一つにまとめる学習方法です。言わば特別な才能や専門的な技術がなくても、苦しんでいる人への援助を志す気持ちがあれば誰でも学ぶ事ができるものなのです。 資格が必要で特別な人しかできない対人援助ではなく、みんなが皆同じ共感的態度をとる必要はない。あなたはあなたのままで良い、自分ができる方法で対人援助をすれば良い。ある意味、対人援助の原点とも言える研修でした。今や全国各地でがん哲学外来カフェが立ち上がり、大分では2番目に『日田鮎カフェ』が立ち上がり、こんな嬉しいことはありません。どうぞ皆様、よろしくご利用下さい!」 がん哲学外来「大分ふぐカフェ」店長 林良彦

空っぽの器

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空っぽの器 カフェは、空っぽの器です。ちょっとしたお茶とお菓子を用意して、話に耳を傾ける。わたしにできるのはここまでです。そこから先は、訪れた本人が、少しずつ、気持ちを整理して、自分らしさを取り戻していきます。双方向で、対等な関係、 社会的立場の垣根を越えた人間同士のかかわり。それこそが魅力や底力を引き出すのだと感じました。   「人生に期待するのではなく、人生から期待される生き方をする」。この処方箋をとても大切にしています。自分にはコントロールできない出来事が起こった時に、「さああなたはどうするのかな」と、正解、不正解の枠を超えて優しく温かなまなざしで見守られている気がするからです。 松本がん哲学みずたまカフェ代表 斎藤智恵美さん がん哲学レッスン 樋野興夫より