大分がん哲学外来ふぐカフェに参加した感想


 私は内科の開業医です。開業して33年、その間、在宅医療に17年関わってきました。その私が気になっていたのは、樋野興夫先生のなさっている「がん哲学外来」というものです。

大分がん哲学外来ふぐカフェに参加して


大分の緩和ケアをなさっている林先生は以前から存じていましたが、先生が大分で、がん哲学外来をなさっているということを知り、長い間、気になっていました。

 ところで、私も、もうすぐ古希を迎えるという年齢になり、偶然にも、私の診療所を手伝ってくれるという奇特な先生がいらっしゃって、4月1日より、仕事を半分に減らすことができました。医師には定年がありませんが、働き方改革も後押しして、ようやく、私の人生にも、時間的なゆとりができたわけです。

といって、趣味のことと言っても限りがあり、贅沢ができるほどのゆとりもありません。私に医療以外の、何ができるのか悩む毎日でした。

そこで、とにかく、いろいろな方にお会いしてみたいと思いました。

ふぐカフェで、患者さんでは泣く、生きている人としての皆さんにお会いして、さまざまなお話を聞かせていただき、私も、自分の人生について、初めての方達に、お話しして、心が透き通っていくような気持ちの良い時間を過ごさせていただきました。誰にも気兼ねせず、心の中を打ち明ける時間。

 これが、私の目指しているものかもしれません。こんな場所が、医療と患者さんの隙間を埋める道具なのかもしれないと直感いたしました。

林先生の、お人柄か、ゆっくりと、普通におしゃべりをしながら、話を広げるでもなく、批判もせず、教育するのでも無い、それでいて、熱心に聞いてくれる司会が心地よく、あっという間に時間を過ごすことができました。

何を話していたのかも、よく覚えていませんが、心が洗濯されたような愉快な時間でした。またお世話になりたいと思っています。

 そして、できれば、この町で、同じような場所を作れたらと考えております。

その節はありがとうございました。


令和6年3月

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