暇でお節介な医者のいるカフェ


 たまたま、暇でお節介な医者がカフェにいる。そこにたまたま訪れたお客さんは、実は大きな病気を抱えていた

雑談から、始まって、相手が医者だと知ると、急に、どうしても聞いてみたいことがありますと、ポロッと口にした彼は、捲し立てるように話し始めた。

お節介な医者は、ゆっくりとコーヒーを飲みながら、かなり長い間、話を聞いてくれた。時折、ぼそっと、そうですね、それはこうかもしれませんねと、答えにはなっていないかもしれないけど、解説めいた言葉をいくつか吐き出し、また後の話を聞き始めた。

長い時間、コーヒーの香りの中で、緩く会話は続いた。

いつしか、彼の頬には、血色が戻り、唇には笑みさえ浮かんでいる。

言葉と言葉が絡み合い、少しだけもつれただけなのに、言葉は薬のような効果を持ち始め出した。

赤いツツジの花びらが、クルクルと回って、4月の水たまりに落ちて行った。


私の妄想です、多分、、、、、



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