ひきこもりの世界
「ひきこもりの世界」池上正樹 という講演会を聞きに行った。 認知症の方との違いや共通点について考えてみた。 引きこもりの方は1980年代から社会問題となり、2023年には全国で146万人と推計され、特に中高年層での増加が目立つ。原因は職場でのハラスメントや対人関係、精神疾患など複雑に絡み合っている。高齢の親と中年の子という「8050問題」も深刻化している。 一方、認知症の方も「家から出にくい」という点で共通しているが、オレンジカフェなど支援の場が存在し、スタッフや家族の支えで社会と関わる機会がある。 引きこもりの方は支援の枠組みが少なく、社会参加が難しい状況にあるが、両者に共通するのは、家族の愛情や周囲の理解が心の支えになっているという点である。 医学的な診断ができる認知症に比べ、引きこもりは社会的診断にとどまるため、行政の支援体制づくりが困難であるが、どちらも“心の問題”であることを理解し、支えていくことが重要であると考える。 思いやりのある社会になることを、切に望んでいる。